maidentity2005-04-04

私がいつもの様にレジを打って商品を梱包してお客様をお見送りすると、まるで毎度の事のように、苺子が優雅に口を割った。
「お花見に行きませんか」
花見。日本古来からの伝統行事、主に酒を飲んだり酒を飲んだり酒を飲んだりして騒いで、時に他人に迷惑をかけてみたり、近隣住民に騒音や廃棄物をもってして迷惑をかけたりする行事である。
後者はともかく、前者(酒)という点で"花見"という行為は私にとって非常に甘美な色合いを持つ。酒好きの私にとって花見のアイデンティティは酒しかないというと、きっと閲覧者の皆さんは気を悪くするであろうが、本当の事なので否定はしない。私はそういう男なのだ。
「いいですな、花見。福山?」
苺子はしゃらんという音がしそうなお辞儀をした。
広島県福山駅を出ると、すぐ目の前に福山城がある事を御存知だろうか。福山城公園は花見の名所として名高い。去年行った時にはまだ蕾ばかりでがっかりしたが、今年行く事ができるなら是非満開で彩られた城を巡りたいものだ。私は桜色に染まるモノクロのジャパニーズキャッスルを妄想した。
「いこういこう」
苺子はでは、というと1枚のメモを私によこした。
「其れに当日用意するものを書留めておきました。宜しく」
にこり、と笑う苺子をよそに、私は濡れ雑巾を絞るようにモチベーションが一気に落ちて行くのを感じた。