世界樹

うそ世界樹の迷宮3

臆病者は本当に死ぬまでに幾度も死ぬが、勇者は一度しか死を経験しない。 シェークスピア ジャインが起き上がった頃には、小競り合いが起きていた。さっきの白い物体は少年のような形になって―いや、本当に少年だったのだが―飛んできた方、ちょうど酒場の一…

うそ世界樹の迷宮2

墓場は、一番安上がりの宿屋である。 ラングストン・ヒューズ 昼間から酒場にいる様な輩はアル中か冒険者くらいなものだ、というのは誰が言っていたのだろうか。悪魔が囁いたかのような邂逅を果たしたジャインは、半ば引き摺られるように、町の広場から少し…

うそ世界樹の迷宮

人生は素晴らしいが、人生の終わりは死である。これは、いかなる人の望みの究極でもある。 スウィンバーン 彼にはひとつの自慢とひとつの悩みがあった。 自慢の方から行こう、「長身でごっつい」事だ。これはパラディンとしては申し分ない。理想である。悩みは…